花火コラム

花火大会を自粛するべきか。

近頃震災によって花火大会をはじめとするイベントが中止になっている。それはいったい良いことであろうか。

自粛された沼津の花火

被災された全ての方々にお見舞いを申し上げ、一刻も早い復興、回復を祈念いたします。

1/1に能登を襲った巨大地震によってさまざまな影響が広がっているが、その中でも日本海と真反対に位置し、石川県輪島市から310km離れた太平洋に面する静岡県沼津市の花火大会が中止となった。

その花火大会は沼津市の100周年を記念し、3/16日に打ち上げが企画・予定されていたもので、事業費が2000万円ほどかかっていたようだ。

市は令和6年能登半島地震の発災状況を鑑み開催中止の判断をしたとしている。

被災地へ心を寄せることは非常に大事なことだと思うが、この判断は被災地のためとなるのだろうか。

花火大会を自粛してどうなる。

以下は沼津市議のSNSでの発信だ。

これを見ると、花火の予算を義援金として回すべきであるという声が上がっていてその声にこたえたものとみられる。しかしながら、現段階で花火費用を義援金として支援に回すことについて市から発表はされていない。ただ、能登半島地震を考慮と。(加えて、千本浜海岸清掃の中止に関してはなぜ中止なのか、もっと謎である。)

前述したとおり、被災された方々へ想いを馳せ、悲しみを共有することは人間としても忘れてはいけないほど大事なことだろう。花火の費用を義援金として被災地へ送れという考えにも共感できる。

が、こんな時だからこそ被災していない我々が経済を回さなければ何も起こらない。"なにもしない"では、被災地のために何にもならない。

さらには、その花火大会のために準備してきた関係者の方々、一生懸命花火玉を制作し、点火プログラム・演出を綿密に計画した花火業者さん、当日使われる台船を貸す予定だった業者さんに迷惑が掛かってしまう。

大きな企業ならば影響は少ないかもしれないが、中小企業であるとくに花火業者は大打撃だ。原価高騰の中、彼らにも生活があるのだ。

参考:市制100周年記念お祝い花火の開催中止について

花火を使って被災地を応援できる

しかしながら、被災地のために何かしなければならないというのは共通の想いであろう。

ならば、沼津市100周年記念を祝うのと同時にチャリティーの意味も込めて盛大に開催すればいいのではないだろうか。

沼津市公式HPによると、夏の沼津市の花火大会には例年30万人もの人が集まる。今回の花火大会において会場内に募金を設置し、一人当たり10円を募金したとすると3000万円が集まる。例えば花火のド正面のエリアは一人500円~の募金が必須などにすれば、もっと集まるだろう。

さらに、会場内に石川県の産物を売るテントなどを設置すれば、地元企業への支援になるだろう。ここで先駆者として開催することでほかのイベントを開催へ導く前例を作るということにもなる。(逆に中止にすれば中止にするべきという前例を作ってしまうことになるだろう。)

ほかにも様々な花火大会を使った支援方法があるだろう。加えて、花火はもともと慰霊の想いが込められているものであり、花火大会を開催することは被災地へ思いを馳せる機会にもなる。 新潟県長岡の伝説の花火師嘉瀬誠二さんが亡き戦友のためにつくった「白菊」という花火がある。花火大会の1幕にこの白菊の花火を上げ、会場の全員で黙想などをするのはどうだろうか。

今回の中止判断については、SNSなどを見ていると(花火ファン以外においても)残念な判断である・理解ができないという声が極端に多い。

被災地への支援ですでに費用が工面できない、警備関係や消防が被災地へ向かっていて不在のため開催が困難であるなどの理由があるかもしれない。その場合は中止判断の理由に記載するべきである。花火費用を義援金に回すとのことであれば、そのことについても言及するべきだ。 もしも、被災地が大変なのに花火なんて不謹慎であるという意見なのであれば、それはいかがなものか。

なかには、「遠く離れた被災地のせいで花火が中止になったという精神的重荷を負わせることになるのではないか」という震災経験者の声もあるようだ。

我々は被災地のために何ができるだろうか。私は沼津市の判断には残念だと感じる。

※この記事にある写真等一切の無断転載を禁じます。使用許可などはご連絡ください。

mail: k.komatsufireworks@gmail.com

ほかの記事

「熱海海上花火大会」2024年も開催!14日程公開

花火情報

河口湖冬花火が今年も開催、11日程で河口湖を彩る

花火情報

筑西花火

日本の花火技術の競演 「土浦全国花火競技大会」

花火情報

蒲郡花火

三つの三尺玉と優雅な点滅花火「蒲郡まつり納涼花火大会」

花火情報

準備中

準備中

準備中

">
">

ほかの記事

Read More⇒

花火総合情報サイトふぁいん![花火情報]c2022 M.Komatsu